Phantom4 Pro V2.0とMavic 2 Proの使い分けの考察

※DJIホームページより

Phantom4 ProV2.0もMavic2 Proも、DJI社から発売されているドローンで、どちらも2000万画素の高画質な画像が撮影できる機種です。

一見、同じような性能に見えますが、これらは機体サイズやカメラが異なるため、場面によって使い分けることができます。

今回は、どちらの機種がどんな使い方に向いているかを整理していきます。

使い分けを整理した経緯

※DJIホームページより

今回、なぜPhantom4 ProV2.0とMavic2 Proの使い分けかたを整理しようと思ったかというと、Mavic2 Proで撮った画像の容量(サイズ)があまりに大きかったから。

Phantom4 Pro(Phantom4 ProV2.0はの画像サイズは見ていないためこちらの機種で比較)では一枚あたり、だいたい6MB程度だった画像が、Mavic2 Proだと一枚15MB程度と、一気に容量が大きくなっていたんです。

以前の記事で僕は普段、撮影した画像のオルソ化を前提にドローンを飛行させていると書きましたが、Mavic2 Proで撮影した画像の容量が大きすぎてオルソ化にすごく時間がかかってしまうんです。

なぜ画像サイズがここまで違うのか

なぜ、ここまで画像サイズに違いがあるのかというと、端的にいえば「Phantom4 ProとMavic2 Proのカメラが異なるから」です。

Phantom4 ProのカメラはDJIが作っている自社生産のカメラですが、Mavic2 ProのカメラはHasselblad(ハッセルブラッド)という会社が作ったカメラなんです。

そうは言っても、カメラが違うくらいで、こんなに容量が変わるのだろうかと思いながら、DJIのMavic2のページを見ていると、見つけました。

Mavic 2 Proは、10-bit Dlog-Mカラープロファイルに対応。拡張された
ダイナミックレンジにより、グレーディングルームでの作業の柔軟性が
さらに向上します。このシステムでは、10億色以上を記録可能で(従来の8-bit カラーコーディング技術の場合は1,600万色)、ハイライトとシャドウのどちらの部分に対しても、詳細な色彩情報を保持します。夕焼けや朝日など繊細なグラデーションの撮影した際には、ポストプロダクション工程に余裕を持たせることができます。

こ、これが原因かぁー!

色か!

なるほど、表現できる色の数が増えたことで、撮影画像の容量がこんなに増えたんですね。

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各項目の比較

それでは、Phantom4 ProV2.0とMavic2 Proを使い分けるため、各項目の比較をしていきます。

持ち運びやすさ

持ち運びやすさについては、圧倒的にMavic2 Proでしょう。アームを折りたたむことですごくコンパクトになるため、とても持ち運びのしやすい機体です。

車で飛行地点まで行けるのならばともかく、少しでも歩くことがあるのであれば、Mavic2 Proを選ぶべきだと思います。

ハンドキャッチ・リリース

ドローンを飛ばす場所は平らで足場の良い場所ばかりではありません。例えば砂浜から飛ばす場合、地面に置いて離着陸させていたのでは、地面が平らではないわ砂が巻き上がるわで非常に飛ばしにくいのです。

そんなとき活躍するのが、ハンドキャッチやハンドリリースという技?です。まぁ、名前の通り手持ちで離陸させて、着陸時も機体を手でつかむというだけなのですが、意外と使う機会は多いです。

そんなとき、Phantom4 ProV2.0だと、機体に脚が付いているためハンドキャッチやハンドリリースが簡単に出来るんです。逆に、Mavic2 Proは脚が無いため、特にハンドキャッチが難しいように感じました。キャッチするときに指がプロペラに当たったときは、なかなかの痛みでした(笑)

飛行性能

飛行性能については、どちらもすごく安定しており、かつ、障害物センサーも付いているため、ほぼ変わらないかなぁと思ったのですが、Mavic2 Proの方が、ややセンサー類が手厚いため、あえて比べるならば、初心者の方が手動で操作する場合なんかはMavic2 Proの方が良いかもしれません。

カメラの性能

Phantom4 ProV2.0とMavic2 Proでは、同じ2000万画素でもカメラの性能に違いがあります。

画角

カメラの画角については、35mm換算でPhantom4 ProV2.0が24mm、Mavic2 Proが28mmと、Phantom4 ProV2.0の方が広角です。一見わずかな差なようにも見えますが、実際に使ってみると思ったよりも違うなという印象を受けます。しかし、よほど少しでも広角なドローンがいいという人でない限りはそこまで困ることはないでしょう。

例えば、一定の面積を撮影画像のオルソ化を前提として写真を撮るのであれば、画角の差が大きく出てくるため、Phantom4 ProV2.0の方がより短時間で飛行を終わらせることができます。

写真の歪み

写真は、特に広角で撮影すると角のあたりに歪みが生じます。

※Phanrtom4 Proにて撮影

Mavic2 Proのカメラはカメラ会社のHasselbladが作っているということもあり、Phantom4 ProV2.0と比べると写真の歪みは少なくなっています。

ただし、そこまであからさまな違いではないので、余程のことがなければ気にする必要もないと思います。

発色

画像で表現できる色の種類は、Phantom4 ProV2.0が約1600万色、Mavic2 Proが10億色と、かなりの差がありますが、見た目はそんなに変わらないかなというのが率直な印象です。

Mavic2 Proで撮影した画像は明るい印象なのに対して、Phantom4 ProV2.0はややk暗いかなと言ったところでしょうか。

ちなみに、動画ではMavic2 ProにはHDRなどの機能が搭載されているため、性能はMavic2 Proの方が良いと思います。

画像サイズ

一番初めにも書きましたが、画像サイズはけっこう違います。Phantom4 ProV2.0で撮影した画像が一枚約6MBなのに対して、Mavic2 Proは約15MB。

ぱっと見で撮影画像の大きな違いは感じないため、オルソ化などのたくさんの画像を一気に処理したい場合は、容量の小さなPhantom4 ProV2.0の画像の方が向いているかもしれません。

総評

Phantom4 ProV2.0 Mavic2 Pro
持ち運びやすさ
ハンドキャッチ・リリース
飛行性能
カメラの性能 画角 24㎜ 28㎜
写真の歪み
発色
画像サイズ 約6MB 約15MB

とりあえず、Phantom4 ProV2.0とMavic2 Proについて、こんな感じでまとめてみました。

ほとんどの場面では、基本的な性能の良いMavic2 Proを使っていれば問題ないように思います。

しかし、ハンドキャッチ・ハンドリリースがしやすい方がいいという人や、一回の飛行で大量の写真を撮影し、それらの写真を加工するような人はPhantom4 ProV2.0を使うのが良いと思います。

同じ画素数のドローンでも、自分がどのような使い方をするのかによって、適したドローンは異なるので、ぜひ購入前には使い方をイメージしてみてください。

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