唐突ですが、皆さんはドローンについてどのくらいの知識がありますか?
なんとなく、こんな形をした空を飛ぶラジコンみたいなもんでしょ?という印象の方も多いことと思います。
僕は仕事やプライベートで、ドローンを飛ばしたりしていますが、今のドローンはすごいですよ。ほんと。
ラジコンヘリと比べても、その操作性は非常に良く、始めたばかりの人でも驚くほど綺麗な映像を撮影することができるので、ドローンを趣味とする人も増えてきています。
こんな、美しい写真だって簡単に撮れちゃうんです。
今回は、そんな流行のドローンに関する資格を紹介していきます!
目次
無人航空従事者試験(ドローン検定)とは?
無人航空従事者試験(以下、ドローン検定)とは、ドローン検定協会が実施する、ドローンに関する民間資格試験です。
まず初めになんですが、2018年現在、「ドローンに関する国家資格や免許はなく、法律の範囲内であれば誰でも飛行させることができる」というのが現状です。
そんなドローンを取り巻く環境の中で登場した資格が「ドローン検定」ですが、この資格の設立背景と目的について、ドローン検定のHPには以下のように定義されています。
空の産業革命と称された無人航空機(ドローン)の普及は、様々な分野で活用が進み私たちの生活をより豊かなものに変えようとしています。
無限に広がる「空」という空間は、今後も新たな活用が期待されていますが、その一方で事故や事件が発生しており、適切な知識と技量をもって無人航空機を活用することが求められています。
ドローン検定協会では、無人航空機を取り扱う従事者の知識レベルを客観的に評価し、その資質向上と周囲の方への理解を広めることを目的として無人航空従事者試験(ドローン検定)を実施しています。
無人航空従事者試験の受験を機にリモートパイロットを含むすべての従事者が正しい知識を身につける機会となることを図ります。
要するに、誰でもドローンを飛ばすことができる今の状況を踏まえ、操縦者がきちんとした知識を持っているかどうかを客観的に評価するための資格であると言えるでしょう。
ドローン検定取得のメリット
ドローン検定を取得することにより得ることのできるメリットについては以下のように記載されています。
- 国土交通省への許可承認申請時に操縦者の資格について証明書を添付できます
- 基礎技能講習(国交省認定)を受講する際に座学1(4時間)が免除されます
- ドローンの安全な活用に必要な最低限の知識を確実に身に着けることができます
- 自己(自社)PRにつながります
- 合格者のみが参加できるQ&Aコミュニティサービスに参加できます(一般の方は閲覧のみ可)
- 飛行ログサービス(オンラインで飛行経歴を管理できる機能)を使用できます
- ドローン検定に合格した証であるロゴを名刺やホームページに記載していただけます
- 提携団体等における各種講習の受講資格を得られます
- 提携団体等における各種講習における座学が免除されます
- ドローン検定オリジナルグッズを購入できます
挙げられた中で一番大きなメリットは、国土交通省への申請時に証明書を添付できるということでしょう。
ドローンについては、航空法(国土交通省)によって飛行方法と場所が定められていますが、航空法で飛行が禁止されている方法や場所を飛行させる場合には、国土交通省への申請が必要になります。申請自体は誰でもできるのですが、許可・承認の基準として操縦者の飛行経歴や技能、知識が定められており、ドローン検定を持っていることで知識を持っているという証明になるものと考えられます。
ドローン検定の取り方 ~まずは3級を目指す~
ドローン検定には、1~4級の4種類が定められています。難易度で言えば当たり前ですが、級の数字が小さくなる(1級>4級)ほど難しくなります。
受験資格について
3・4級については特に受験資格は設けられておらず、誰でも受験が可能ですが、2級を受けるためには3級を、1級を受けるためには2級をそれぞれ持っておく必要があります。
つまり、3級というのは、”1・2級を取るために必ず通らなければならない道”ということになります。
試験範囲について
各級の試験範囲については以下の通り定義されています。
大項目 | 中項目 | 1級 | 2級 | 3級 | 4級 |
---|---|---|---|---|---|
基礎知識 | 用語 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
動作 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
組織 | ◯ | ◯ | |||
制度・国際情勢 | ◯ | ◯ | |||
単位 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
三角関数 | ◯ | ||||
物理学 | 力学 | ◯ | ◯ | ◯ | |
熱力学 | ◯ | ||||
流体力学 | ◯ | ||||
電磁気学 | ◯ | ||||
工学 | 航空工学 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
材料工学 | ◯ | ||||
流体工学 | ◯ | ||||
電気電子工学 | ◯ | ◯ | |||
無線工学 | ◯ | ||||
気象 | 気象学基礎 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
航空気象学 | ◯ | ◯ | |||
専門知識 | 機体構造 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
姿勢制御 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
バッテリー | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
送信機 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
GNSS | ◯ | ◯ | |||
リスク | ◯ | ◯ | |||
責任・保険 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
飛行計画 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
法令 | 無人航空機関係 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
電波関連 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
刑事民事その他 | ◯ |
これを見ると、3級と4級の違いは、力学の有無だけですので、もし受験するのであれば3級から受けたほうがいいと思います。
取得にかかる費用
本資格の取得のためにかかる費用は、受験料のみです。
各級の受験料は以下の通り。
級 | 受験資格 | 受験料(税込) |
---|---|---|
1級 | ドローン検定協会主催 ドローン検定2級取得者 | 18,000円 |
2級 | ドローン検定協会主催 ドローン検定3級取得者 | 12,000円 |
3級 | どなたでも受験可能です | 5,500円 |
4級 | どなたでも受験可能です | 3,000円 |
3級だと5,500円ですね。
なお、気になる受験会場ですが、試験は全国45か所程度で実施されているので、住んでいるところから受験会場がものすごく遠いという人はあまりいないでしょう。
勉強方法は?
ドローン検定3級については、ドローン検定協会から以下のテキストが発売されています。
このテキストには説明と例題が載っており、試験問題には、ほぼこのテキストに載っている例題が出題されます(計算問題では数字を変えたものも出題される)ので、このテキストを丸暗記する感じの勉強方法で良いでしょう。
ちなみに勉強時間ですが、僕はドローンに関して、もともとある程度の知識があったので4時間くらいテキストを見て覚えて合格することができました。
ドローンの知識が無い人でも、1週間、毎日3~4時間程度の勉強量でまず合格できると思います。
試験範囲を見たときに、何やら難しそうな印象は受けますが、一つ一つの項目を浅く広く拾っているような感じなので、むしろ興味を持って勉強することができました。
試験の難易度について
本資格の難易度についてですが、比較的取得が容易な資格であると言えるでしょう。
・難易度(0~10段階で10が高い):2.5
まとめ
ドローン検定3級は、取得が容易な資格ではありますが、現在のところ国家資格や免許の存在しない中で、ドローンに関連した貴重な資格であると言えるでしょう。
趣味でドローンの飛行を行う方もそうですが、仕事でドローンを使う方は取っておいてまず損の無い資格でしょう。また、3級の取得後は2級、1級とステップアップしていき、飛行の技能関連の資格も併せて取っておくとなお良いと思います。
まだ、一般に広まって間もないドローン業界は、資格や法整備が進んでいない業界と言えますが、今後、ドローンが普及するにつれて整備されていくと考えられますので、今後も様々なところにアンテナを張り、情報収集をしていくことが望ましいでしょう。
僕自身も、本資格はまだ2級までしか取っていませんが、今後1級にもチャレンジいていきたと考えています。
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