野球をやっていて、新しいグラブ(グローブ)を買ったときは、いつだってワクワクするもの。
しかし、新しいグラブは硬く扱いづらいもの。グラブを硬いまま使い続けていると、変な型になってしまってボールが捕りづらいグラブになってしまうこともあります。
そこで、新品のグラブを買ったときには自分が使いやすいように、あらかじめ型付けをしておくのが一般的です。
今回は、グラブの型付けについて書いていきたいと思います。
目次
まずは自分のグラブの型を知ろう
まずはじめに言いますが、グラブに関しては、『良い型・悪い型』はありません。
自分のプレースタイルや使い勝手によって、一番使いやすい型が決まるからです。
僕もそうでしたが、人にグラブを貸したときに「悪い型だな」と言われて、いちいち不安になる必要はないのです。
ある意味、自分が一番使いやすいグラブの型が『良い型』なのだと思います。
以下に代表的なグラブの型について示してみました。それぞれの点線がグラブの可動部(折れ目)になります。
※ミズノHPより引用したものを改変
1.つかみ捕りの型
赤の点線で示しているのがこの型です。
こちらは、外野手に多いように思います。イメージとしては親指と小指・薬指に力を入れてくっつけるような感じでしょうか。
ポケットはウェブ下だったり手のひらになることが多いです。
2.投手に多い型
黄色の点線で示しているのがこの型です。
こちらは、投手に多いイメージの型です。投手は投球の際、最後グッとグラブに力が入ります。このとき、親指は動かさず残りの4本の指に力が加わることから、このような型になりやすいのです。
ポケットはウェブ下になります。
3.ノーマルの型
青の点線で示しているのがこの型です。
初心者から上級者まで、老若男女に広く使われているのがこの型です。やや4本の指側の方が動きますが、若干親指も可動するイメージです。
ポケットはウェブ下か手のひらになります。
型付けの方法について
型付けには様々な方法があります。ここではいくつか紹介していきますので、自分に合った方法で型をつけていくといいと思います。
湯もみ
これはもともと、久保田スラッガーを取り扱うお店がはじめた方法です。
お湯をバケツなどに張り、その中にグラブを漬けて揉むことで柔らかくする方法です。
子どもの頃、「グラブは水に濡らすな」と言われていた僕としては、当初違和感があったのですが、乾燥やメンテナンスに気を配ることで柔らかいグラブを作る事ができるようです。
こちらは、今すごく流行っている方法ですが、個人的にこの方法で型付けをするのはオススメしません。
と言うのは、お湯に漬けることでグラブの中のオイルが出て行ってしまうことで、革自体も傷みやすいためです。
そのため、乾燥方法とオイルを塗り込むメンテナンスのタイミングが非常に難しく、失敗しやすい方法でもあります。
かくいう僕も、以前一度挑戦したのですが、乾燥とメンテナンスに失敗して、ガサガサの変な型のグラブを作り出してしまいました。
このことから、『湯もみ』は素人はあまり手を出さない方がよい方法であると言えます。
グラブを温める
革製のグラブは温めることで柔らかくなり、型付けをしやすくなります。
温める方法としては、こたつの中や、出かける前にエアコンを切った室内や車内が挙げられます。
このとき、日光をに当ててしまうと革が劣化してしまうので、必ず直射日光は避けるようにしましょう。
温まって柔らかくなったら、後に記載しているようにグラブハンマーやボールで叩き、ポケットや可動部を作っていきます。
ミズノ MIZUNO グラブ保型ベルト 1GJYG1300009
保型ベルトでグラブを巻いて温めるのもありだと思います。
また、電子レンジで温める人もいますが、温まり具合にムラができてしまったり、場合によっては焦げてしまったりするのでやめておきましょう。
手揉みやグラブハンマーを使う
グラブの型付けで最も一般的なのがこの方法です。
全体的にグラブをよく揉み込み、可動部やポケットとなる部分はグラブハンマーで叩きます。
グラブの型付けでは、どの方法でも可動部を作る必要があるため、グラブハンマーは持っておくのが良いでしょう。
軟化剤を使う
グラブを局所的に柔らかくしたい場合は、革用の軟化剤を使います。
HATAKEYAMA ハタケヤマ リキッドオイル グラブ ミット用 保革 軟化剤
軟化剤は霧吹き状になっているものが多く、これを柔らかくしたい部分にかけていきます。
柔らかくなった部分は、グラブハンマーや手揉みなどをしてポケットや可動部を作っていきます。
このとき、軟化剤がかかった部分は少し伸びてしまうので、柔らかくしたい場所以外にかかってしまわないように注意しましょう。
なお、軟化剤は革を無理やり柔らかくする薬剤なので、使いすぎると革を傷めてしまうので気をつけましょう。
キャッチボールで型をつける
野球をやっている人の中には、キャッチボールやノックで型をつけるという人もいます。
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というのも、部屋の中で良いと思った型でも、いざ実際に使ってみると違和感があるかもしれないので、実際に使っていくうちにできる型が自分の型なんだという理由です。
なかなか理にかなった方法だと思います。
このとき注意するのは、グラブが硬いうちから変に力を入れないこと。
硬いうちから一部分だけに力が加わると変な型ができてしまうので、何回、何十回、何百回とボールを捕ることで徐々に力を入れていくようにしましょう。
まとめ
グラブの型付けは関節を作る作業と言えます。
むやみに柔らかくすればよいというわけではなく、動くところとそうでないところをきちんと作ってあげることが重要なのです。
型は、人によって様々です。
自分が一番使いやすいよう、どこを柔らかくすればよいのか、イメージしながら型付けをしましょう。