いつ、どんなときであっても『盗難』が自分の身に降りかかると気持ちは非常に盛り下がるもの。
今回は、自分が海外旅行で経験した盗難のエピソードについて書いていこうと思う。
タイ・ラオス旅行で起こった盗難のはなし
旅に慣れ始めていた
事が起こったのは、僕がタイ・ラオスと東南アジアをまわる旅をしたときの帰りのこと。
その時の旅では、生まれて初めて『陸路で国境を越える』という経験をした。
路線バス、遠距離バスと、バスを乗りこなして、世界遺産があるような街から電気も通っていないような村までまわったという経験がある種の自信を生んだ。
「もう僕は、どこへでも行けるんだ!」
と。
旅を始めた頃の恐る恐るな感じは無くなり、旅で過ごす毎日は純粋に楽しいものだった。
よく分からない土地の食べ物はどうしても守りに入りがちで、レストランに入ってもフライドライス(チャーハン)ばかり頼んでいた時期もあったが、もうそんな自分は卒業して、ワニやイモムシ、タガメ、カブトガニなんかも自ら進んで食べるようになっていた。
ちなみに、ワニは味付けが濃すぎてひたすら甘いだけで何がなんだかよくわからなかった。
細いイモムシは揚げてあってスナック菓子のようで食感がクセになる感じ。
タガメは生臭さが強かったので個人的には不味いと思った。
カブトガニは、中の卵を食べたのだが、泥のハードグミを食べているようだった。特に美味しくも不味くもなかったがあまりの量に、食べているとアゴが疲れてきてそれが苦痛だった。残そうかとも思ったが、「珍しいものを食ってるヤツがいる」と、酔った外国人観光客に取り囲まれ、皆に応援されてしまったため、頑張って完食せざるを得なかった。
飛行機でも荷物に注意が必要
話の方向が変わってしまったので元に戻そう。
外国では、日本と違って治安が良くないところも多く、常にスリやボッタクリには警戒しないといけない。
そのあたりの対策については、事前に情報を調べており、
- お金を持ち物の中に分散させておく
- ボディバッグは前で持つ
- すごく汚い身なりをする
- 怪しいヤツは睨む
- 怪しいヤツに絡まれたら突然奇声を発する
など、対策に抜かりはなかった。
そのため、旅の途中でスリやボッタクリに遭うことも少なかった(ラオスでボッタクリとトラブルにはなったが…)。
また、自分なりの旅のスタイルもできてきて、はじめの頃は飛行機に乗るときも
「バカやろう!バックパッカーは荷物なんて預けねぇんだよ」
くらいに思っていたが、帰りの飛行機では、ちょっとだけ観光ができる程度のトランジットがあったので、身軽に動けるよう荷物は預けることにした。
上海でのトランジット観光を楽しんだ後、帰国。
成田空港で荷物を受け取った。
「そういえば、デジカメをリュックへ入れっぱなしにしていたな」
と思ってリュックの中身を確認するが、見つからない。
「あれ?おかしい」
探せど探せど出てこない。
結局、荷物を預けている間にデジカメは抜き取られてしまっていた。
正直ショックだった。
デジカメが無くなったと言うこともそうだけれど、旅の記録や思い出まで無くなってしまったようで悲しかった。
デジカメ以外は残っていたが…
家に戻ってから、リュックの中を再度確認する事にした。
サークル活動でやり残していた資料作りをするために、わざわざパソコンまで持って旅していたのだが、それまで盗まれていたとなれば本当に一大事だ。
幸い、パソコンも含めてデジカメ以外のものは盗まれていないということが分かり、一安心だった。
サークル活動に大学生活を捧げる者としては、”パソコン”はなくてはならない大事なアイテムなのだ。
今回の件で盗難保険への加入がいかに大切かと言うことを思い知らされつつ、荷物をばらして片付けた。
「昨日までは“非日常”の中に身を置いていたが、明日からはいつもの“日常”に戻るんだなぁ」
そんな余韻もまた、旅の醍醐味なのだ。
一通り片付けが終わったところで、旅の間に来たメールの確認をするためパソコンを開く。
「あれ??なんでCtrlキーが無いんだ?」
キーボードを見るとなぜかCtrlキーの部分だけ無くなっていた。
Ctrlキーがあったであろう部分を見てみると、偶然『取れた』という感じではなく、明らかに力が加わった跡があった。
デジカメのほかに、Ctrlキーが盗まれていたのだ。
「なんでだよ!」
比較的無くても何とかなるキーではあるが、これでは『Ctrl+Z』も『Ctrl+C』も『Ctrl+V』も使えない。
さっきまで僕は悲しさで満ち溢れていたが、これを見て、さすがに腹が立ってきた。
「ちくしょう!中途半端に困るキーだけ盗みやがって!」
と、同時にこうも思った。
「いや、どうせ盗るならEnterキーいけよ!」
この経験から学んだこと
- 貴重品は体から離さないようにしよう
- 飛行機の預け荷物とて信用できない
- Ctrlキーに頼りすぎるのはよくない