父島の街並みを一望!三日月山線歩道を歩く

東京からおよそ1,000km。

小笠原諸島は、大陸と一度もつながったことが無い“海洋島”です。

そこには偶然島にたどり着いた生物たちが独自の生態系を作り出しています。

世界中でそこにしかいない生物も多く、思わずその珍しい生き物たちに会いたいと思ってしまうことでしょう。

しかし、小笠原諸島の森林の大半は『森林生態系保護地域』に指定されているため、一般人は立ち入ることができません。

森林内を通っている観光用の“指定ルート”と呼ばれる道もありますが、こちらはガイドさんと一緒でなければ行ってはいけないルートです。

しかし、そんな中でもいくつか、一般人でも歩くことのできるルートがあるので、紹介していきます。

父島の街並みを一望!父島三日月山線歩道

今回紹介するのは、父島の三日月山線歩道

この道は、父島のウェザーステーション(三日月山園地)から三日月山展望台までを歩くルート(遊歩道)です。

アップダウンも少なく、道も割ときれいで広いため、運動をしていない人でも歩きやすいルートです。

なお、三日月山の山頂へ向かう分岐は現在閉鎖されています。

ルートの距離と所要時間は?

ルートの距離は、片道700mくらい。

往復するとなると所要時間は約40分くらいでしょうか。

なお、携帯電話の電波は基本的にどこでも入ります

三日月山線歩道を歩くときの持ち物と服装

ルートは舗装されてはいないものの歩きやすいので、どんな靴でも大丈夫だと思います。

ぬかるみも少ないので、ギョサンでも行けなくはない感じです。

ただ、何があるか分からないのが山道なので、スニーカーで歩くのが良いと思います。

服装についてですが、半袖半ズボンでも大丈夫でしょう。ただ、風が強く冬は寒い日もあるので、その日の気候を見ながら決める感じでも良いと思います。

ルートは日陰もありますが、日なたの場所もありますので、帽子は持っていても良いと思います。ただし、風の影響を受けやすいので、飛ばされないよう注意が必要です。

水は500ml程度でも大丈夫だと思いますが、よく水を飲むという人は1Lあれば安心です。

眺めの良い場所やベンチもあるので、その他、おやつや虫除け、カメラや双眼鏡もあればいいと思います。

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三日月山線歩道を歩く

スタートはウェザーステーション

スタート地点は、ウェザーステーション

ウェザーステーションという名前の由来は、かつて気象観測所が置かれていたからなんだとか。

現在は、父島の北西側が一望できる展望台になっており、父島へ観光に来た際は大半の人が訪れる人気のスポットです。

※夜にここへ来ればこんな星空も見える

周りにはほとんど光が無いので、晴れていれば星空がきれいに見えます。

また、西側を向いているので夕焼けを見るスポットでもあります。

昼間に来ても、小笠原の島なみが見えたり、冬であればクジラが見れたりします。

三日月山線歩道を歩かないにしても、父島に来たときには是非とも押さえておきたいスポットです。

三日月山線歩道の入口は少し地味

三日月山線歩道の入口はそんなウェザーステーションとは逆側にあるので、少し分かりづらいかもしれません。

上がってきた道から見て左に行くとウェザーステーション、右に行くと三日月山線歩道です。

入口はこんな感じです。看板こそありますが、やはり地味ですね。

看板を見ると三日月山の山頂へ向かう分岐は現在閉鎖されていると記載されています。

ルートの様子

ルートは森の中や少し開けた場所を通っています。

森の中を通っているときはこんな感じ。

ルートの両側には、シマモクセイやヒメツバキ、ヤロードなどの在来植生が見られます。

と、同時に存在感を出しているのがモクマオウ

モクマオウ(トクサバモクマオウ)は、薪炭材として小笠原に移入されてきた外来種です。

長細い葉っぱをつけるので、一見マツのような針葉樹に見えますが、実は広葉樹です。

こんな感じで地表に厚く落ち葉を積もらせるので、他の植物の種子が発芽することができず、放っておくといずれはモクマオウだけの単一な森になってしまいます。

その他、アカギやギンネム、シマグワといった、小笠原に入り込んだ代表的な外来植物を見ることができるのが、このルートの特徴かもしれません。

しばらく森の中を歩くと、開けた場所に出てきます。

北側を見ると、対岸に兄島が見えます(写真は曇りですが…)。

ここも、天気の良い日ならば素晴らしい眺めです。

ここを越えると、ルートは森の中から開けた場所を通るようになります。

※オガサワラススキ

※オガサワラグミ

ルートの両側にはオカサワラススキやオガサワラグミなどの固有植物が生育しています。

その後、少し歩くと、階段が出てきます。

階段がこのルート最大のアップダウンですが、長く続いているわけではないので、そこまで大変ではないでしょう。

階段を過ぎると東屋があります。ここが三日月山園地です。東屋の奥には戦時に掘られた壕がありますが、危ないので立ち入らないようにしましょう。

その先のやや細い道を進むと展望台に出ます。

ここでは、父島の街並みが一望できます。

個人的には、父島の街並みが一番キレイに見える場所だと思うので、おすすめです。

まとめ

小笠原諸島では、面積の大半が森林生態系保護地域に指定されているため、一般の人が森へ立ち入ることができる場所は限られています。

しかし、三日月山線歩道は一般の人でも立ち入ることのできる場所の一つなので、ウェザーステーションの観光のついでに、ぜひ足を延ばしてみてはいかがでしょうか。