皆さん、『メスティン』って知っていますか?
キャンプ好きの中では有名なこの代物。
一見すると何やらアルミのお弁当箱のような形をしていますが、実はこれ一つで”炒める”、”蒸す”、”煮込む・茹でる”、”燻す”などの調理が可能な、超優秀なクッカーなんです。
今回はそんなメスティンについて紹介していきます。
目次
まずはメスティンってなに?
メスティンとは、『trangia』というスウェーデンのメーカーが作っているクッカーです。
trangiaとは?
trangiaというメーカーは、アウトドアのお店に行くと”アルコールストーブ”や”クッカー”を見たことがあったので、なんとなくアウトドアグッズのメーカーという印象はありましたが、あまりよく知らなかったというのが本音でです。
そこで改めて、「どんなメーカーなのか」と疑問に思ったので、trangiaのHPを見てみました。
1925年、トランギア社はJohn E.Jonssonによって創設されました。若い頃から優れた技術と先鋭的なデザイン力を持ったJohnは、農業に従事することから離れ、会社を興します。これが、耐風性に優れたストーブを何世代にもわたり作り続けるトランギア社の始まりでした。当初は家庭用のクックウエアを生産していましたが、1930年代になると労働者の休日が増え始め、余暇を過ごすためのキャンピングギアへの需要が高まります。これを契機にキャンプ料理のための製品開発へと主軸を移すことを決ます。
1938年、Johnの2人の息子OlleとErikが加わります。
そして、1951年にストームクッカーの最初のプロトタイプが開発されます。そのコンセプトは、燃料として最も効率的であった液体燃料を使用し、使いやすくそして、コンパクトで料理がしやすいストーブであることでした。
1970年代、トランギア社にErikの息子、BengtとLennartが加わり、現在はBengtがCEOとして、Lennartが技術開発責任者として手腕を振るっています。このようにトランギアの豊かな創造力は、4世代に渡り引き継がれています。
Trangiaの名称はTrångsvikenという村の名前を語源としています。Trångsvikenの「a」の上の〇マークを取り除き、アルミ製品であることの「in aluminium」から「ia」を追加して「Trangia」とすることをJohnは決めたのです。それからの数十年の間、トランギアの名前は、スウェーデンはもちろん世界中のアウトド ア市場で、最も有名なブランドのうちの1つとして認識され続けています。
トランギアは、経験と能力、そしてモダンなデザインの象徴となっています。トランギアを代表するストームクッカーは、開発、改良を続けること60年が経過していますが、今も90年前にJohn E.Jonssonが創設した時と同じスウェーデンの村で製造され続けています。細かい部分は見直され、改良されてはいますが、オリジナルリティのある巧妙なデザインは、今も多くのユーザーから支持されているストームクッカーの大切なカギとなっています。
意外と長い歴史がある会社のようです。
アルコールストーブもメスティンも割と武骨な外見なので、なんとなくですが”職人的なメーカー”なんだろうな、と思います。
メスティンとは?
メスティンは、アルミニウム製のお弁当箱のような外見をしたクッカーで、横に取っ手が付いていて、フライパンのような感じで持つこともできます。
クッカーにしては大きめで、750mlの容積があります。メスティンの概要は以下の通り。
- 重量:150g
- サイズ:17×9.5×6.2cm
- 容量:750mℓ
- アルミ製(無垢)
- 炊はんの目安:約1.8合まで
武骨な雰囲気がカッコいいので、僕も「欲しいなー」とは思っていたのですが、探し歩き始めたときにはどこも売り切れ。Amazonや楽天の通販も売り切れていました・・・
そう、メスティンは人気が高く、たびたび売り切れることがあるんです。
結局メスティンを手にしたのは、「欲しい!」と思ってから二か月後のことでした。
メスティンのシーズニング(事前の手入れ)について
まずは、買ったメスティンを開けてみます。
メスティンを開けると、こんな感じ。中に入っているのは紙に包まれた取っ手です。
中をよく見てみると、新品にもかかわらず何やら水が蒸発した後のようなシミが。日本製ではないのでこれもご愛嬌ですね。
早速、取っ手をつけて使いたいものですが、このまますぐに使うことはできません。
と、言うのも、事前の手入れやシーズニングが必要なのです。ここで、その方法について紹介していきます。
メスティンのバリ取り
メスティンを買ったら、まず行うこと。。。
それは、『縁のバリ取り』です。
メスティンの縁を拡大した写真がこちら。
よーく見ると縁に”バリ”があるのがわかります。触ってみると、「あ、これは指切るな」というくらい鋭いです。使っている時に指を切ってしまっては話にならないので、バリ取りをしていきます。
用意するのは紙やすり
バリ取りは、”紙やすり”を使ってやっていきます。僕は#400と#2000の目の紙やすりを使いました。
あまり粗すぎる紙やすりだと、メスティン自体を傷つけてしまうため、粗くても#200~400くらいのものを使うのが良いと思います。
方法は簡単で、#400の粗い目を使ってひたすら縁をやすりがけした後は、#2000の細かい目を使って滑らかにしていきます。
このとき、メスティン本体だけでなくフタの方もやすりがけを忘れないようにしましょう。
やすりがけを終えた写真がこちら。違いが分かりにくい かもしれませんね(笑)
およそ15~20分くらいやすりがけしたら結構滑らかになったように思います。やすりがけの程度は、こすった部分を触ってみてチェックします。
メスティンのシーズニング
バリ取りは終わりましたが、メスティンを使うまでに必要な作業はもう一つあります。
それは、『シーズニング』です。
メスティンは無垢のアルミでできているので、このまま使ってしまうと、焦げ付いたり、料理がアルミ臭くなってしまうんです。
シーズニングにはお米のとぎ汁を使う
メスティンのシーズニングには”お米のとぎ汁”を使います。
と、いうわけで早速鍋にお米のとぎ汁を張って、「ざぶん」。
これをグツグツと煮ていくことで、メスティンの表面に皮膜を作ることができ、焦げ付きやアルミ臭さを防ぎやすくなります。
今回はとぎ汁を使用しましたが、人によっては緑茶がらやタマネギの皮など、タンニンの酸化により皮膜を作るという人もいるようですね。
鍋の容量があまり大きくないので半分くらいしか浸かっていませんが、煮詰めながら適度にひっくり返して最終的には全体が浸るようにしていきます。煮詰める時間は15~20分を目安にします。
20分ほど経つとこんな感じに。でんぷん質が表面について白っぽくなっています。
これを柔らかい布で軽くこすって洗い流すと・・・
こんな感じになりました。見た目はあまり変わっていません(やや白っぽくなったようにも見える)。
取っ手をつけたら事前の手入れは終了です。
試しにお米を炊いてみました。
ふっくらと美味しく炊き上がり、特に大きな焦げ付きもありません。
なお、お米をすぐに炊くと芯が残ってしまうので、炊く前にお米をおよそ1時間くらい水に浸しておくのが良いと思います。
まとめ
使い勝手の良さと角形ゆえの収納のしやすさ、そして武骨なフォルムなどのカッコよさから、アウトドア好きの中でメスティンは非常に人気が高いクッカーです。
巷ではメスティンを使って作る『メスティン飯』なるものも存在するくらい、メスティンでできるレシピもたくさん開発されています。
皆さんもぜひ、アウトドアの際はメスティンを持って行ってみてはいかがでしょうか。
ちなみに、メスティンにはいくつか種類があり、
トランギア ラージメスティン 1350mL TR-209(1コ入)
少し大き目な『ラージメスティン』や、
取っ手の赤い、『レッドハンドル』タイプもあるので、用途に合わせ、気に入ったタイプを買ってみてください。