小笠原諸島の森を歩く!母島南崎線歩道(南崎・小富士ルート)

東京からおよそ1,000km。

小笠原諸島は、大陸と一度もつながったことが無い“海洋島”です。

そこには偶然島にたどり着いた生物たちが独自の生態系を作り出しています。

世界中でそこにしかいない生物も多く、思わずその珍しい生き物たちに会いたいと思ってしまうことでしょう。

しかし、小笠原諸島の森林の大半は『森林生態系保護地域』に指定されているため、一般人は立ち入ることができません。

森林内を通っている観光用の“指定ルート”と呼ばれる道もありますが、こちらはガイドさんと一緒でなければ行ってはいけないルートです。

しかし、そんな中でもいくつか、一般人でも歩くことのできるルートがあるので、紹介していきます。

東京都最南端へ!南崎線歩道(南崎・小富士ルート)

今回紹介するのは、母島の南崎線歩道(南崎・小富士ルート)

この道は、母島の最南端にある『小富士』を目指すルートです。

比較的アップダウンも少なく、道も割と広いため、普段運動をしていない人でも歩きやすいルートです。途中、いくつか分岐があり、分岐を進んでいくと浜に出ることもできます。

ルートの距離と所要時間は?

ルートの距離は、片道2.5kmくらい。

往復するとなると所要時間は2時間~3時間くらいでしょうか。

なお、道中は林内のため携帯の電波は悪いです。

南崎・小富士ルートを歩くときの持ち物と服装

比較的歩きやすいとはいうものの、そこはやはり舗装されていない道。ある程度の装備は必要です。

まず、服装についてですが、半袖半ズボンでもいけなくはないですが、蚊が多いため、道中休んでいると集られます。気になる人は長袖長ズボンの方がいいかもしれませんね。

南崎・小富士ルートは天候やタイミングによってはぬかるんでいることも多い道です。足元はできればしっかりしたものがおすすめ。サンダルは厳しいと思います。

ルートの大部分は日陰なので、帽子についてはあってもなくてもと言ったところでしょうか。ただし、海に出ることを想定するならば持っていくのが良いと思います。

持ち物で一番重要なのは、やはり『水』。特に夏場は湿度が高く非常に暑いので、最低1L。できればそれ以上の水が必要です。

その他、おやつや虫除け、カメラや双眼鏡もあればいいと思います。

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南崎線歩道(南崎・小富士ルート)を歩く

ルートに行く前にまずは観光協会へ!

ルートを歩く前に、観光協会へ行っておきましょう。

ここで300円を払うと小富士登頂の証明をするためのグッズを借りることができ、戻ってきたときにそれを提出すると『登頂証明書』と交換してもらえます。

母島観光協会は、ははじま丸の船客待合所の中にあります。

貸し出された登頂証明をもらうためのセットはこちら。

  • 南崎・小富士のパンフレット
  • 南崎ルートマップ
  • 南崎で実施されているノネコ対策の紹介冊子
  • 白い紙
  • クレヨン

です。最終的に返却が必要なのはクレヨンです。

ルートの入口は都道最南端

南崎・小富士ルートは、都道最南端が入口になっています。

都道最南端はロータリーになっていて、こんな看板が。

これだけでも結構フォトジェニックな感じ。

写真の後ろに手すりが見えますが、ルートはここを下っていきます。

手すりを下っていくと、種子除去装置があるので、そこでしっかりと外来種対策をしてから進みましょう。

ルートの様子

ルートの状況はこんな感じ。道の右に見える根っこがたくさんあるように見える植物が、小笠原諸島固有種の『タコノキ』

普段は見慣れない植物と、うっそうとした感じが南国感を醸し出しています。

ルート序盤はややアップダウンがあります。

ふと、横を見るとこちらも固有種の『シマギョクシンカ』がありました。

”固有種”と聞くと、「すげぇ~!」と思いますが、道を歩いていて目に付くもののほとんどが固有種だったりするので、次第に感覚がマヒしてきます(笑)

しばらく歩くと東屋に到着しました。

ここは、『すり鉢』といって、赤土が露出しています。

昔は、オガサワラビロウの葉っぱを敷いて滑ったりしていたのだとか。

今は外来種である”モクマオウ”が生えているため、一面赤土の風景とはいきませんが、晴れていると空や海とのコントラストが良いですね。

ここを過ぎると、道はまた林内に入っていきます。

途中、海に出るための道の分岐がいくつかあります。

実は海の方も割とおすすめです。

その後もずーっと歩いていると、終点が見えてきました。

最後ははしごを登ります。

小富士の頂上に到着しました。

振り返ると、これまで歩いていた森が見えます。母島の中でも珍しい、『母島型乾性低木林』(呼び方については諸説あり)です。

この、モザイク状になっている植生が、小笠原諸島の一つの森林の特徴です。

1972年に沖縄が返還されるまでは、ここが一般人が行ける日本の最南端だったんだなとか思うと、少し感慨深いものがありますね。

登頂証明をもらうためにやることがあります。

こちらの何の変哲もない木の棒を使います。

近いづいてみると、なにやら文字やイラストが描いてあります。

これを、先ほど貸し出された白い紙とクレヨンでこすると。。。

あんまりでキレイに浮き出ませんね(笑)

※2019年6月現在ではこすりだしをする板が新しくなっています

これで、登頂証明をもらいためにやることは終了!帰路に着きます。

小富士の登頂証明をもらおう

集落に戻ったら、先ほどクレヨンでこすった紙を観光協会に持っていきます。

無事に登頂証明がもらえました。なお、登頂証明はこのようにラミネートされたものと、ハガキのものが選べるようですよ。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

小笠原諸島では、一般の人が気軽に行ける場所は少ないですが、行ってみると新しい発見や楽しみがあります。

運が良ければ、希少種の『アカガシラカラスバト』にも会えるかもしれません。

小笠原の母島に行った際は、是非とも小富士登頂にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。