建設業の人は必見!振動工具取扱作業者作業者について

建設現場における作業では、振動工具が用いられることも多く、一日に複数種類の振動工具を使うことも少なくありません。

振動が大きな工具を長時間使用する場合、適切な対策を取らなければ、作業者が白ろう病等の健康障害を引き起こすおそれがあります。

今回は、そんな振動工具の取り扱いに関する資格について書いていきます。

振動工具取扱作業者について

振動工具取扱作業者作業者とは

『振動工具取扱作業者作業者』とは、チェーンソー以外の振動工具取扱作業者に対する労働安全衛生法に基づく安全衛生教育を修了した者のことを指します。

労働者に対する安全衛生教育や訓練については、法令上実施することが義務付けられているものと、個々の事業場が独自の判断で実施しているものとがありますが、安全衛生教育は、特別教育に準ずる教育で、労働災害を防止するために事業者が労働者に対して行います。それぞれの事業所の実態にあわせて、作業者に対してどのような教育が必要なのかを検討したうえで教育・訓練計画を立て、これに基づき実施していくものです。なお、安全衛生教育を自社で実施することが困難な場合もあるため、このような場合には、安全衛生教育を実施している団体等が開催する講習会等を利用する形になります。

また、本資格について国家資格と区分しましたが、国から認定された団体しかできない講習ではないため、厳密に言えば区分が微妙な資格であると言えます。

振動工具とは

厚生労働省のHPによると、振動工具とされている工具は以下のものになります。

  • チェーンソー(排気量40cc以上の内燃機関により駆動するチェーンソー)
  •  さく岩機,チッピングハンマー,リベッティングハンマー,コーキングハンマー,ハンドハンマー,ベビーハンマー,コンクリートブレーカー,スケーリングハンマー,サンドランマー等の打撃機構を有する工具
  • エンジンカッター等の内燃機関を内蔵する工具で可搬式のもの(チェーンソーを除く。)
  • 携帯式皮はぎ機
  • 携帯用タイタンパー
  • 携帯用研削盤,スイング研削盤,その他手で保持し,又は支えて操作する型式の研削盤(使用するといし直径(製造時のおけるものをいう。以下同じ。)が150mmを超えるものに限る。)
  • 卓上研削盤又は床上研削盤(使用するといしの直径が150mmを超えるものに限る。)
  • 刈払い機

これらの工具を使用する際は、健康障害を引き起こすおそれがあるので、使用の際は適切な対策をとる必要があります。

なお、チェーンソーについては別に特別教育があるので、振動工具の講習ではチェーンソー以外について教育を行います。

振動工具によって引き起こされる健康障害とは

振動工具によって引き起こされる健康障害のことを、『振動障害』と呼びます。振動障害は振動工具の局所振動が身体に伝達されることにより引き起こされる末梢循環障害末梢神経障害それに運動器(骨・関節系)障害の3つです。有名なもので言えば、末梢循環障害である白ろう病(レイノー病)が挙げられるでしょう。

講習では、そんな振動障害を防ぐための作業方法について学習していくことになります。

スポンサーリンク

資格の取り方

ここでは、チェーンソー以外の振動工具取扱作業者に対する労働安全衛生法に基づく安全衛生教育について説明していきます。

資格の取得方法

本資格は、安全衛生教育(講習)によって取得することができます。講習の期間は1日(4時間)です。

講習は、コマツキャタピラーコベルコ等の教習所や東京技能者協会等で実施しています。講習をやっている場所は多いので、自分の空いている日程に合った講習日を予約すれば良いでしょう。

取得にかかる金額

取得にかかる金額は講習を開催する団体によって異なりますが、

講習料:8,000~9,000円程度

くらいが相場です。

受講資格

受講資格は18歳以上です。その他の条件はないため、基本的には年齢さえ満たしていれば誰でも受講可能です。

講習科目

講習科目は以下の通り。

  • 振動工具に関する知識
  • 振動障害及びその予防に関する知識
  • 関係法令等

講習は座学のみで、およそ4時間。実技はありません。また、講習の最後に簡単なテストのようなものを行いますが確認の意味合いが強く、特に勉強の必要はないでしょう。

難易度はどれくらい?

本資格は取得が非常に容易な資格で、試験もないため難易度もかなり低いです。受講さえすれば、誰でも取得できる資格と言えるでしょう。

・難易度(0~10段階で10が高い):0

まとめ

チェーンソー以外の振動工具取扱作業者に対する労働安全衛生法に基づく安全衛生教育は、学科講習のみで修了試験等は無いので、難易度は高くありません。この資格を持っているからと言って、“手当てが出る”ということもあまりないでしょう。しかし、作業者の安全衛生を保つために積極的に事業者が受講を促すことが望ましい資格と言えます。現に受講しにくる人も「仕事で必要だから」と、会社に言われて来ている人が多いイメージでした。

振動工具による健康障害は、一見わかりにくく理解しにくいように思いますが、作業者の方は、是非正しい知識を身に着けて安全と健康に作業してもらえれば幸いです。