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有機溶剤作業主任者とは?用途や取り方の紹介
そもそも有機溶剤とは?
有機溶剤とは、他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物の総称で、常温では液体です。一般に揮発性が高いため、蒸気となって作業者の呼吸を通じて体内に吸収されやすく、また、油脂に溶ける性質があることから皮膚からも吸収されます。特有のにおいをもち、その蒸気は空気よりも重く、有機溶剤の多くは引火性があります。
ここまで聞いても、なかなかイメージしづらいと思うのですが、有機溶剤は塗装業や清掃業、ネイル業等で一般的に使用されている物質で、私たちの生活のすぐ側にも存在するものです。今回は、有機溶剤を業務で使用する際に必要な”有機溶剤作業主任者”という資格について紹介していきたいと思います。
有機溶剤作業主任者とは
閉鎖された空間において有機溶剤による身体的な被害防止の指揮・監督や労働安全衛生上の労衛生の確保に配慮するための国家資格です。
以下の法律によって、作業主任者の設置と対象となる有機溶剤の種類と基準が定められていいます。
労働安全衛生法 第14条(作業主任者)
事業者は、高圧室内作業その他の労働災害を防止するための管理を必要とする作業で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う技能講習を修了した者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、当該作業の区分に応じて、作業主任者を選任し、その者に当該作業に従事する労働者の指揮その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。
労働安全衛生施行令第六条ー二十二
屋内作業場又はタンク、船倉若しくは坑の内部その他の厚生労働省令で定める場所において別表第六の二に掲げる有機溶剤(当該有機溶剤と当該有機溶剤以外の物との混合物で、当該有機溶剤を当該混合物の重量の五パーセントを超えて含有するものを含む。第二十一条第十号及び第二十二条第一項第六号において同じ。)を製造し、又は取り扱う業務で、厚生労働省令で定めるものに係る作業
有機溶剤を使用して作業を行うときは、有機溶剤作業主任者を配置しなくてはならず、作業主任者は事業者によって有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者の中から選任されます。
本資格は持っていると優遇されることも多く、また、需要も多いため頻繁に講習会が実施されています。
資格の取り方
本項では、そんな需要の多い有機溶剤作業主任者の取り方を以下に記載します。
取得方法
本資格の取得方法は講習によって取得可能です。講習の期間は2日間(13時間)で、以下の講習科目があります。
講習科目 | 時間 |
健康障害及びその予防措置に関する知識 | 4時間 |
作業環境の改善方法に関する知識 | 2時間 |
保護具に関する知識 | 4時間 |
関係法令 | 2時間 |
修了試験 | 1時間 |
講習は各地方で行われています。例えば東京都であれば、東京労働基準協会連合会や労働技能講習協会等で実施しています。自分の空いている日程に合った講習日を予約すれば良いでしょう。
講習の最後に試験があり、
・各科目の得点が40%以上
・全科目の得点が60%以上
の両方をクリアすると合格なようです。なお、講習の中で講師の方が「ココ試験に出るよ!」的な感じで教えてくれるので、よほどではない限りは不合格になることはないでしょう。
取得にかかる金額
取得にかかる金額は講習を開催する団体によって異なりますが、
講 習 料:11,000~12,000円
テキスト代:2,000円
くらいが相場です。
なお、人気のある講習のため、なるべく早くの予約が望まれます。
受験資格
受験資格はありません。誰でも受講可能です。ただし、18歳未満は有機溶剤作業に従事できないため、主任者に選任することもできません。
勉強方法は?
本資格に関しては、特に勉強は必要ありません。あえて言うならば、講習1日目が終わった後にテキストの習ったところを簡単に見ておく。というくらいでしょうか。僕は講習を聞くだけで、勉強等はしませんでしたが、それでも簡単だなぁという印象でした。
難易度はどの程度?
本資格はこれまでお伝えしている通り、取得が非常に容易です。難易度もかなり低いです。
・難易度(0~10段階で10が高い):0.5
まとめ
有機溶剤作業主任者は、試験勉強がほとんど必要ない、非常に簡単な資格であると言えます。国家資格で需要の多い資格であるため、就職の幅を広げるために取っておくのは非常に良いことでしょう。
しかし、簡単な資格とはいえ、有機溶剤という危険の伴う作業の主任者というわけですから、実際に選任されると手当てがつく場合もあり、それ相応の責任も発生します。有機溶剤を使用する作業者が安全に働けるよう、資格の取得を目的にするのではなく、職場の安全を保つという目的で、しっかりと学ぶ必要があると思います。
ちなみに、テキストは普通に売っているので、取得してからしばらく経過する人はこちらで勉強し直すのも良いかもしれませんね。